こんにちは。
Genius Rushの笹原です。
近頃、ビジネスシーンに限らず、いろんな場面で「タイパ」という言葉を耳にするようになりました。
もしかしたら、初めて目にした方もいらっしゃるかもしれません。
僕も初めて聞いたときは「タイパ????」という感じでした。
今日は、近頃流行りのこの「タイパ」について考えていきます。
1 タイパとは
そもそそ、「タイパ」とはどういう意味でしょうか。
ちょっと調べてみると「タイパ」は「タイムパフォーマンス」の略で、コストパフォーマンス(コスパ)の時間版に当たる言葉です。
「時間対効果」と訳すのが良いのでしょうか。
短い時間で大きな成果をあげれば「タイパが良い」ことになり、逆に時間がかかって小さな成果しか上げられなければタイパが悪い」という使い方をするようです。
辞書で有名な三省堂さんの「辞書を編む人が選ぶ『今年の新語2022』」で大賞に選ばれたのがこの「タイパ」だそうで、やはりここ2年くらいで広がった言葉だと思われます。
2 タイパをめぐる世代感
この「タイパ」はもともとZ世代を中心に広がった言葉で、そのZ世代は特に「タイパ」が良いことを重視する傾向があると言われています。
その背景には、Z世代は、それまでの世代と比べ得られる情報量が極めて膨大になっており、効果的にそれを処理するために必要に迫られて「タイパ」を追求するようになったと僕個人としては推察しています。
このタイパを追求する姿勢に対して、(個人的な感覚としては比較的年配の人に多い気がする)批判的な意見もありますが、そもそも、自分たちが生きてきた状況と、彼らが生きてきたまたは生きていく状況は全く違うことは前提として理解する姿勢を持つことは大切だと考えます。
彼らが処理する、判断する情報は30年前の同世代と比べても数十倍以上となっているものとみられます。
(あくまでインターネットのトラフィック量の話ではありますが、総務省によれば2002年から2018年で約6,500倍に増加しており、2020年から2028年ではさらに6倍以上になるという予測もあるそうです。)
さらに、僕はこと仕事に関して言えば「タイパ」を重視するこの傾向はとてもポジティブなものだと考えています。
これまで慣例的に漫然と行っていた作業や手法を効率化し、無駄を省き、生産性を高めることに大きな役に立つことが期待されます。
余談ですが、公務員時代に対民間企業向けの仕事を長くしていた僕は、公務員特有の慣例的な時間をかけて決断実行していく従来型の仕事方法(この辺りについては、『公務員を退職した話② ~僕が公務員を辞めた理由(ネガティブ編)~』にて詳しくお話ししています。)をできる限り穏便に加速させ、相手企業のスピードに合わせるためにこの「タイパ」を高めていくという事をずっと考え続けていました。
3 タイパをNLP的に考える
基本的に「タイパ」についてはポジティブなことと捉えている僕ではありますが、1つ気になることもあります。
「タイパ」を考える際に「パフォーマンス(成果)」はどのように定義されるのかがよく分からないという点です。
もう少し詳しくいえば、「成果」はどの時点のものを指して言うのかが不明確だという事です。
仕事の中には「投資的」な仕事も存在します。
例えば、研究調査、教育といった仕事と言えば分かりやすいでしょうか。
これらは、短期的な枠組み(下図参照)で考えると明らかに「タイパ」は悪いです。というかそもそも「成果」が出ません。
他方で、長期間的な枠組み(下図参照)で考えると大きな成果を上げる可能性もあります。もちろん、成果が出ない可能性もありますが、この投資をできない組織は衰退する可能性が高いです。
つまり、「タイパ」を考える際は、「成果」をどの時間軸で捉えるかで大きくその「良い」「悪い」の評価が変わる可能性が高いです。
ちなみに、この「時間軸(短期長期)」や、世代間の「状況」によって同じ事象に対しても捉え方が変わるという話を書いてきましたが、NLPではこの「時間軸」や「状況」など、その人がある事実を捉える際に影響を与えるものを「フレーム(枠組み)」と呼んでいます。
フレームはもちろん人それぞれ異なるものですし、同じ人でも周囲の状況や自分自身の状態等の影響で、常に一定というものでもありません。
この「フレーム」を理解して、今の自分がもつ「フレーム」をコントロールできないと、「タイパ」という素晴らしい観点も、時として自分の判断を狭めてしまう原因になります。
この「フレームを理解してコントロールする」方法については、別記事にてお伝えします。
4 フレームについて学ぶには
NLPでは「柔軟性」という事を非常に大切にしていますが、この「柔軟性」の基礎をなす1つの概念として「フレームを理解しコントロールする」というものがあります。
NLPについて詳しく知りたい方は、下記のサイトにて色んな記事が紹介されていますのでおススメです。
Life and Mind+ (ライフ&マインド) ※他サイトへ遷移します