こんにちは。Genius Rushの笹原です。

NLPやコーチングを学ぶと、必ずと言っていいほど「ラポール」という言葉を学びます。

一般的には、
・相手にペースを合わせる
・共通点を見つける
・話し方や姿勢を合わせる
といった形で説明されることが多いと思います。

もちろん、それらも非常に大切な技術です。
実際にラポールを学ぶことで、人とのコミュニケーションが大きく変わる人も少なくありません。
僕のセミナーでも、必ずお伝えするスキルの1つです。

ただ、長年NLPやコーチングを使いながら人に関わってきて思うのは、多くの人がラポールを「関係を作る技術」だと思っている一方で、本当のラポールは、そのもっと先にあるのではないかということです。

1 ラポールは「仲良くなる技術」ではない

ラポールという言葉を聞くと、「相手と良い関係を作ること」と理解されることがあります。
もちろん、これも間違いではありません。

でも、それだけでは、ラポールの本質を説明できない気がしています。

というのも、仲良くなるだけなら意外と簡単だからです。
・相手に合わせる。
・否定しない。
・共感する。
・相手の話をよく聞く。

これだけでも、多くの人とはそれなりに「良い関係」が作れます。
しかし、それだけで本当にラポールがあると言えるのでしょうか。

2 本当のラポールが試される瞬間

本当のラポールがあるかどうかは、相手が自分に賛成してくれている時には分かりません。

本当に差が出るのは、お互いの意見が違った時です。
価値観がぶつかった時です。
耳の痛いことを伝えなければならない時です。

セッションの現場でもよくあります。

クライアントが言って欲しい言葉ではなく、僕が今のその人にとって必要だと思う言葉を伝えなければならない瞬間があります。

当然ですが、嫌がられることもあります。反発されることもあります。
その結果、関係が壊れるなら、それはまだラポールが出来ていなかったのかもしれません。

3 ラポールとは「関係が壊れない状態」

僕の最近のラポールの定義は、「単に相手に合わせることではなく、関係が壊れない状態のこと。」

賛成してもらえることではなく、反対の意見や立場でも対話が続くこと。

気を遣い続けることではなく、本音を言っても関係が続くこと。

そう考えるようになりました。

4 技術としてのラポール

ここで誤解してほしくないのは、僕ははラポールスキルを否定しているわけではありません。

むしろ重要だと思っています。

ペーシングもマッチングも、バックトラッキングもすべて価値があります。
前述しましたが、僕のセミナーでも必ずお伝えする内容です。

なぜなら、それらは人間関係の入口だからです。
人は安心できなければ心を開きません。
だからまずは相手が安心できる環境を作る必要があります。
初対面でも、その環境を生み出すことが出来るのが、ラポールスキルです。

5 そして技術だけでは届かない場所

ただ、入口を通った後の世界があります。

そこから先は、どれだけ上手に合わせられるかではありません。

どれだけ誠実でいられるかです。
どれだけ相手を尊重できるかです。
どれだけ都合の悪い場面でも向き合えるかです。
そして、どれだけ自分自身を信頼できるか、一貫性を持てるかです。

ここは技術では越えられません。
その人自身の在り方が問われます。

6 本当のラポール

僕が考える本当のラポールとは、「自分も相手も安心して本音を出し合える状態」です。

相手に嫌われることを恐れて言葉を選ぶのではなく、相手を信頼しているからこそ必要なことを伝えられる状態です。

そして相手もまた、自分が気に入るかどうか(好きか嫌いか)ではなく、僕の言葉に耳を傾けようとしてくれる状態です。

そこまで来て初めて、ラポールという言葉が持つ本当の意味が見えてくる気がします。

実際に、数年にわたりサポートしているクライアントさん達とは、時々意見の不一致や議論が起こることもあります。(一般的なコーチング理論的には怒られるかもしれませんが…)
それでも、そのクライアント達との関係は崩れることはありませんし、むしろさらに深まっていると実感します。

自分や組織の痛みも苦味も酸いも甘いも全てに誠実に向き合うクライアントさん達ほど、その傾向は強くなると感じています。

7 最後に

NLPを学び始めた頃の私は、ラポールを「作るもの」だと思っていました。
確かに、ラポールスキルを使う事で、普通の人よりも「速く」「効率的に」ラポールを作ることは可能です。

でも今は少し違います。

ラポールは作るものではなく、育つもの。若しくは、いつの間にか出来上がってくるもの。

技術によって始まり、誠実さによって深まり、積み重ねによって強くなる。
そして気がつくと、意見が違っても、価値観が違っても、対話が続いている。
そんな関係になっている。

もしそれをラポールと呼ぶなら、本当のラポールとは相手に合わせる技術ではなく、お互いが本音で向き合える関係性そのものなのだと思います。

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