前回のブログ「NLPトレーナーの僕が『ビリーフ』のいじり方を語らないわけ」では、他人の信念(ビリーフ)に安易に介入することの危うさと、クライアント自身が脱ぐ決断を待つことの大切さについてお話ししました。
今日は、その延長線上にある、僕が最も大切にしている「NLPとの向き合い方」について書いてみようと思います。
1 相手をコントロールしたいという「誘惑」
NLPを学び始めると、強力なスキルをいくつも手にします。
言葉の使い方ひとつで相手の反応が変わったり、
目の前の人の状態(ステート)を意図的に変化させることができたり。
人によっては、本当に「魔法」を遣えるような感覚を覚えます。
そうなると、人にはある「誘惑」が芽生えます。
「このスキルを使えば、この人を救えるのではないか」
「このテクニックで、相手の悪いクセを直してあげられるのではないか」
しかし、この「変えてあげよう」というコントロールの意識が働いた瞬間、支援の質は一気に自己満化します。
そこにあるのは相手への尊重ではなく、支援者の「変えたい」というエゴだからです。
2 クライアントは、支援者の「状態」に反応する
NLPには「ラポール」という概念があります。
ごく簡潔に言えば、自分と相手との信頼関係です。
これはNLPの最も基本で、最も重要な要素です。
NLPの全ての魔法は、このラポールが無ければ成立しません。
そして、このラポールの「作り方」こそが、コーチやカウンセラーの質を決めると思っています。
僕たちがいくら「寄り添っています」というポーズをとっても、自分自身の内側が整っていなければ、相手にはその不一致が伝わります。
不安、焦り、あるいは「評価されたい」という欲求 etc.
そうしたノイズを抱えたままセッションを行えば、クライアントは無意識にそれを察知し、心を閉ざしてしまいます。
人間はそこまでバカではありません。
逆に、支援者が深く自分を整え、静かな湖面のような状態でそこに存在しているだけで、クライアントは勝手に自分の内側と向き合い始めます。
つまり、クライアントにポジティブな変化が起きるかどうかは、スキルの習熟度よりも、「支援者がどれほど整っているか」にかかっています。
3 NLPを「自分を整える鏡」にする
では、どうやって自分を整えるのか。
ここでこそ、NLPの真価が発揮されます。
・今、自分の中にどんな感情が湧いているか?(メタ認知)
・自分の思考の癖が、相手への判断を歪めていないか?(メタ・モデル)
・自分自身のステートを、ニュートラルに戻せているか?(ステート・マネジメント)
・自分の使う言葉は相手にマッチしているか?(メタプログラム)
などなど。
もちろん、他にも無数にあります。
これらを徹底的に自分自身に使い続けます。
NLPのワークを自分に対して行い、自分自身の「鎧」の存在に気づき、自分を癒し、整えていく。
そのプロセスを繰り返し積み重ねた先に、「何もしなくても、そこにいるだけで相手に安心感を与える」という領域が見えてきます。
4 究極の支援は「透明な存在」になること
僕が目指しているのは、クライアントの人生における「透明な鏡」のような存在です。
僕が何かを変えるのではなく、整った僕という存在を通じることで、クライアントが自分自身の姿を正しく映し出し、自分自身で気づき、自分自身で変わっていく。
そのためには、僕の中に曇りがあってはいけません。
「すごいと思われたい」という汚れや、「正しく導かねば」という歪みが自分にないかを常にチェックし、もしも見つけた場合には躊躇なく取り除き続ける必要があります。
NLPは、相手を操作するための「武器」ではなく、自分というシステムを正常に作動させるための管理システムであり、修復機能です。
5 整うことで、世界は変わる
「クライアントに変化が出ない」
「もっと強力なスキルを身につけなきゃ」
もしそんな風に感じているなら、一度その視線を相手から自分へと戻してみてください。
自分を整え、自分の中心にどっしりと座ることができれば、不思議なことに、周りの人々は自由に変化し始めます。
誰かを変えようとするエゴを手放し、ただ自分を整える。
その結果として、大きな影響力が生まれてしまう。
これこそがNLPという「魔法」の本質だと、僕は思っています。
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