「自分をもっと肯定しましょう」
この言葉に、救われたと感じた経験がある人もいるかもしれません。
そしてその救われた感と同時に、どこかで違和感を覚えたことはないでしょうか。

1 自己肯定感の疲労感
対人支援に限らず、いたるところで耳にするようになった「自己肯定感」という言葉。
自己肯定感は現代の対人支援における“万能薬”のように扱われています。
下がっているなら上げればいい。
足りないなら満たせばいい。
けれど、本当に深いところで苦しんでいる人ほど、そんな言葉に傷ついていきます。
というのも、そういった言葉は「あなた(私)はまだ足りていない」というメッセージを強くつたえてしまっているからです。
そして、「肯定しなければならない自分」という新しい鎧を着せられてしまうからです。
2 なぜ肯定してはいけないのか?
そんな鎧を身に付け続けた結果、
「自分を認められない自分はダメだ」
いつの間にか、そんな声が生まれます。
本当は、疲れているだけかもしれない。
本当は、立ち止まりたいだけかもしれない。
それなのに、「前向きであろうとする自分」を演じ続けてしまう。
「自分を認められる自分であり続ける」とことを義務にしてしまう。
これが自己肯定感が人を救わなくなる瞬間です。
3 自己肯定感のと評価
では、「本当の自分に戻る」とはどういうことか。
それは、「自分を好きになること」でも、「ポジティブになる」ことでもありません。
もっとシンプルで、とても現実的なプロセスです。
端的に言えば「評価のループから降りること」
良い・悪い
できている・できていない
肯定できる・できない
自分自身に対する、そうした内的ジャッジを必要としないポイント戻ること。
それが「本当の自分に戻る」瞬間です。
多くの人は無意識のうちに「役に立つ自分」「期待に応える自分」「ありのままの自分を肯定できる自分」を「本当の自分、本来あるべき姿の自分」だと勘違いしています。
ですがそれは、社会環境に適応するために身につけた「生きるために身につけた自分」かもしれません。
鎧としては優秀です。
ただし、長く着続けると、本来の自分が呼吸する機会を失います。
そしてその状態が続くと、知らぬ間に疲れてしまいます。
4 自分に戻るセッション
僕のセッションではその鎧を無理に脱がせることはしません。
その鎧はクライアントを守ってきたものだからです。
ただ、「それを着続けなくてもいい時間」をそこに作り出します。
沈黙、あるいは相槌。
そして、質問や感想。
そこから生まれてくる、すぐには言葉にならない感覚。
そしてようやく作り出される「本当の自分に戻る」時間。
—
「本当の自分に戻る」とは、何者かになろうとする力を一度手放すことです。
成功しなくてもいい。
成長しなくてもいい。
肯定できなくてもいい。
その地点まで来て、ようやく「本来の自己調整能力」が戻ってきます。
5 自己肯定感からの解放
不思議なことに、 ここに至った人は、 何かを得て強くなるのではありません。
「揺れない自分」になるのでもありません。
「揺れていること」を、 当然の前提として受け入れている状態になります。
波を止めようとするのではなく、 波に乗ってしまうように。
つまり、 自分の「揺らぎ」さえも 素直に受け入れて、それを力として使えている状態です。
他人の期待に 反応してしまう自分さえも、 「あぁ、今はそうなんだな」と 観察できている。
だから結果として、 圧倒的に自由になるのです。
他人の期待に過剰に反応しなくなり、
「やること」と
「やらないこと」を
自然に選べるようになります。
これは、「自己肯定感を上げた」結果ではありません。
自己肯定感という言葉そのものが必要なくなった結果です。
6 最後に
もしこの文章を読んで、
・励まされなかった
・安心しきれなかった
・でも、どこかで呼吸が深くなった
そんな感覚があるなら、それは既にその鎧は今のあなたには不要にありつつあるのかもしれません。
—
僕は、クライアントを肯定しません。褒めもしません。
その代わりに、クライアントが
・自分を評価する
・誰かと比較する。
そんな終わりのないループから、自分の足で外れる瞬間に立ち会います。
それは決して、分かりやすい派手な成果ではないかも知れません。
けれど、本当に救われたい人が本気で自分の為だけに過ごす時間です。
鎧を脱ぎ、何者でもない自分として再び自分の人生を生きなおしたいなら。
深呼吸しても、どこかでまだ重さを感じている方は迷わずその感覚に従ってください。
その一歩を踏み出すこと自体が、もうすでに「本当の自分に戻るプロセス」の始まりです。
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どんなセッションをしたいのか、まずはありのままの自分の言葉で僕に伝えることから始めてみてください。
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