こんにちは。Genius Rushの笹原です。

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このシリーズでは、コーチングの現場で役立つNLPのスキルTOP3の2つまでご紹介してきました。

過去記事はこちらから↓

『コーチングの現場で役に立ったNLPスキル~現役プロコーチ兼NLPトレーナー的TOP3~』

コーチングの現場で実際に活用できるNLPのスキル個人的TOP3 ~その1 肯定的意図~

コーチングの現場で実際に活用できるNLPのスキル個人的TOP3 ~その2 チャンクサイズ~

そして3弾目となる今回は「リフレーミング」をご紹介します。

1 「見ている世界」を変える

「リフレーミング」と聞くと、「ネガティブな言葉をポジティブに言い換える」というイメージを持たれる方も多いかもしれません。

ですが、NLPやGeniusRushで活用している「リフレーミング」は単に言葉を言い換える事ではありません

(「リフレーミング」のための1つの手法として「言い換え」というアプローチを使うことはあります。)

Genius RushやNLPで扱うリフレーミングは、言葉ではなく「フレーム」そのものを変えるというアプローチです。

当たり前ではありますが、「リフレーミング」とは「フレーム」を変えることです。

「リフレーミング」を説明するために、まずはこの「フレーム」とはどういう概念かを解説します。

仮に目の前のコップにちょうど半分の水が入っているとします。

これを見て、「コップに水が半分も入っている。」と捉える人もいるかもしれませんし、「コップに水が半分しか入っていない。」と捉える人もいるかもしれません。

どちらも、「コップに水が半分入っている。」という事実には変わりはありませんが、その捉え方で、その事実に対する印象は大きく異なっています。

では、皆さんはなぜ同じ「コップに水が半分入っている」という状態に対して、「半分も」または、「半分しか」と異なる捉え方をしたのでしょうか。

今まさに「のどが渇いている人」にとっては「半分しか」かもしれないですし、今のところ「まったく水を飲みたくない人」にとっては「半分も」かもしれません。

水を好きな人にとっては「半分しか」かもしれませんし、水を嫌いな人(あまり会ったことは無いですが)にとっては「半分も」かもしれません。

人によっておかれている状況やその価値観、想定する時間軸等は様々です。

コップの例でいえば、「水が必要な状況か」とか、「水を好きか嫌いか」というような観点です。

時間軸ということでいえば、長い目で見れば「水は大事」だが、直近は「特に必要ない」ということもあります。

その、状況や価値観、想定する時間軸といったものが、皆さんが物事を捉える際の「枠組み」、つまり「フレーム」となります。

もちろん、他にもフレームは無数にあります。

人は普通、事実をとらえる際に無意識的にこのようなフレームをかけています。

そして、そのフレームの中で、現実世界を認識し、自分の中で解釈していきます。

無意識的に嵌っているその「フレーム」を意図的・意識的に入れ換え、物事を捉え方を柔軟に変化させるのが「リフレーミング」です。

2 冬に咲く桜の話

山形県には、「啓翁桜(けいおうざくら)」という冬に咲く桜があります。
実はこの桜、花を咲かせる前に冷蔵庫で500時間以上、しっかり寒さにさらされる必要があるのです。

つまり、「寒い冬を経験して初めて、春の花が咲く」。

この話を聞いたとき、僕の中で「あるフレーム」が書き換わりました。
それまで「冬=つらい時期」としか思っていなかったのが、「冬=咲くための準備期間」と見えるようになったのです。

その結果、当時置かれていた「冬のように厳しい状況」が「やがて咲かせる花への投資期間」という風に変わった瞬間です。

自分が置かれていた現実の状況は何も変わってはいないのですが、前向きに状況と向き合えるようになりました

この視点の転換が、まさにリフレーミングの力です。

現実は変わっていなくても、その意味づけや捉え方が変わった瞬間に、人は違う世界を手に入れることが出来るようになります。

3 コーチングとリフレーミング

Genius Rushでは、この「フレームを書き換える力」を、コーチングにおける重要なスキルのひとつと捉えています。

なぜなら、クライアントが悩みや行き詰まりを感じているとき、多くの場合、それは「事実」ではなく、その人が置かれているフレームによって「そう見えている」「そう感じている」からです。

そしてそれは、そのクライアントにとっては紛れもない「真実」です。

逆に言えば、「起きたこと」は変えることが出来なくても、「どう見ているか」を変えることができれば、その人にとっての「真実」は変えることが出来ます。

コーチングにおけるリフレーミングとは、
この「見方の枠組み」をずらし、クライアント自身が別の視点を持てるように導くこと。

言葉を変えるのではなく、「世界の見え方」を変える

その結果として、「その人にとっての世界そのもの」が変わる。
だからこそ、リフレーミングはNLPの中でも特に大きな影響力を持つアプローチだと考えています。

4 「地図」と「領土」は違う

本ブログでも何度かご紹介しているように、NLPには、「地図は領土ではない」という言葉があります。

ごく簡単に説明すれば、

「地図」とは、自分が見ている世界のこと。
そして「領土」は現実世界。

つまり、私たちは現実をそのまま見ているのではなく、自分なりのフレームを通して解釈しているということです。

※詳しくは『地図は領土ではない ~あなたの見ている世界は本物の世界ですか?~』

コーチングでクライアントが悩んでいるとき、多くの場合は「動けない現実がある」のではなく、単に「自分がかけているフレームに囚われている」状態です。

リフレーミングは、その状態のクライアントに新しい地図を手渡す、クライアントの地図に新たなカテゴリの情報を加えるようなアプローチです。
「別の捉え方もあるんだ」と気づいた瞬間に、未来の選択肢が広がります。

そしてその結果として、NLPで重視する「柔軟性」を高めることにも繋がります。

5 リフレーミングの注意点

これまでお伝えした通り、リフレーミングの効果は極めて大きいものです。

相手の地図(=世界観)を大きく変える可能性があります。

だからこそ、コーチがリフレーミングをする際には

まずは「相手の世界観を尊重する」というマインドを持ち

そして「相手の望むべき状態」をしっかりと共有し

「相手の今の状態」を把握し

「相手の望むべき状態」と「相手の今の状態」のギャップを明確にし

その上で相手に「どんなフレームが影響しているのか」「今の相手にリフレーミングは適切か」という見極めが大切になってきます。

「リフレーミング」がコーチの「フレームの押し付け」にならないようにコーチが自制できる状態で活用してください。

6 本気でNLPとコーチングを理論×実践で学ぶ

今回は『コーチングの現場で実際に活用できるNLPのスキル個人的TOP3  ~その3 リフレーミング~』というテーマで、「リフレーミング」の本質を解説しました。

しかし、本当に実践でこの「リフレーミング」をリスクなく、効果的に使いこなすためには、注意点もたくさんあります。

GeniusRushではよりクラアントへ効果的なセッションをしたい本気で考えているコーチの皆さんに向けて、NLP講座(全米NLP協会認定プラクティショナーコース)を提供しています。

ブログではお伝えしきれない幅広いNLPの考え方やスキルを、重層的に全てが繋がりを持っていると理解できる内容で、それを受講者自身がクライアントとして体験できる構成にしています。

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