こんにちは。
Genius Rushの笹原です。
NLPでは自分自身を周囲の状況や環境に適合させる「柔軟性」を非常に大切にしています。NLPを学ぶ最大の目的は、この「柔軟性」を手に入れるためと言っても過言ではありません。
NLPでは、同時にまた、自分の言動が常に一致している「一貫性」も大切であるとお伝えしています。
この一見すると矛盾する「柔軟性」と「一貫性」の関係はNLPではどのように理解すればいいのでしょうか?
今日は、以前にもふれた「ニューロロジカルレベル」を使いながら考えていきます。
(「ニューロロジカルレベル」に関する以前のブログ『自分の変え方へのヒント ~修正したい課題の原因はどこ?~』)
1 ニューロロジカルレベルとは
ニューロロジカルレベルについては、上記でもご紹介した『自分の変え方へのヒント ~修正したい課題の原因はどこ?~』で詳しく説明していますが、ここでもごく簡単に説明します。
ニューロロジカルレベルはNLPの大家であり、高名なコーチ、コンサルタントであるロバート・ディルツ氏が考案した「人間の意識レベル」を6段階(「①スピリチュアルレベル」「②自己認識レベル」「③信念・価値観レベル」「④能力レベル」「⑤行動レベル」「⑥環境レベル」)に体系化したものです。
① スピリチュアルレベル
自分の周囲にある全て(社会や地球、宇宙と言った全て)を1つの大きなシステムと捉え、そのシムてむの中で自分が「どういう存在であるか。」「どういう在り方(=Being)か。」という事を意識するレベル。
② 自己認識レベル
「自分は何者か(=Who am I)。」「自分はどういう人間か。」「自分は何を為す人間か。」
いわゆるアイデンティティと同じもの。
③ 信念・価値観レベル
その人が信じているもの(又は思い込み)や価値観。
なぜそれをやるのか(又はやらないのか)を意識するレベル。
④ 能力レベル
その人が持つ能力、才能、リソース。
どのようにそれをやるのかを意識するレベル。
⑤ 行動レベル
その人の行動、立ち振る舞い等。
何をするかを意識するレベル。
⑥ 環境レベル
その人の周辺の環境。
いつ、どこでを意識するレベル。
この①~⑥のレベルはそれぞれが互いに影響を与え合っていますが、特に、より上位の階層がより下位の階層に与える影響が大きいと言われています。
2 NLP的「柔軟性」とは
NLPにおける「柔軟性」とは、「状況や相手に応じて自分の行動や思考を意図をもって適切に変化させることができる能力」を指します。これは、より効果的に目標を達成したり、人間関係を円滑にするために重要な能力と言えます。
NLPの基本的な考え方をまとめたNLPの前提にも「最も柔軟(フレキシブル)な行動をとることができる人/ システムがシステムをコントロールすることができる。=必須多様性の法則」という項目がありますが、特にこの「柔軟性」は行動レベルについて重要になってきます。
NLPの大きな目的は、「現状の状態(現状)から望ましい状態(目標)へ移行すること」ですから、そのために必要な行動を取り続ける、ある行動が上手く行かない場合は、他の行動を取ってみるという「柔軟性」が大切です。
3 NLP的「一貫性」とは
「一貫性」とは「自分の言動が常に一致している」ことと前述しましたが、NLP的により詳しく言えば「すべてのニューロロジカルレベルが矛盾なくつながっている状態」を指します。
具体的に言えば、各ニューロロジカルレベルで
①スピリチュアルレベルで「周りの人達を笑顔にしたい(する)」
②自己認識レベルで「私は人を笑顔に出来る人間だ」
③信念・価値観レベルで「人は笑顔になると幸せなものだ」「幸せであることは人生で重要だ」
④能力レベルで「自分ができることでどうやって人を笑顔にしよう」
⑤行動レベルで「人を笑顔にするためにこんなことをやってみよう」
⑥環境レベルで「ここで人を笑顔にしよう」
と考えている(感じている)人がいたとします。
この場合、①スピリチュアルレベルから⑥環境レベルまでが「笑顔」という1つの軸で一致していますので、NLP的には非常に「一貫性」がある状態と言えます。
こういう状態の人は、特に大変な苦労や努力をしなくても、自然と目標を達成してしまうことがおおいです。(逆に、この「一貫性」が無い人、つまりニューロロジカルレベルの統一性が無い人は、どんなに苦労や努力をしても、目標を達成することは困難なことがあり得ます。)
4 もう一度「柔軟性」を考える
『2 NLP的「柔軟性」とは』では、柔軟性は行動レベルで大切と述べましたが、実は他のレベルでも大切になってきます。
『3 NLP的「一貫性」とは』で述べましたが、「一貫性」が無い人、つまりニューロロジカルレベルの統一性が無い人は、どんなに苦労や努力をしても、目標を達成することは困難なことがあります。
逆に言えば、頑張っているのになかなか成果が出ない人は、ニューロロジカルレベルの統一性が乱れている可能性があります。
このニューロロジカルレベルのずれは、どのレベルでも起こりえます。
例えば、上記の笑顔の例で言えば、
①スピリチュアルレベルで「周りの人達を笑顔にしたい(する)」
②自己認識レベルで「私は人を笑顔に出来ない人間だ」
③信念・価値観レベルで「人は笑顔になると幸せなものだ」「幸せであることは人生で重要だ」
④能力レベルで「自分ができることでどうやって人を笑顔にしよう」
⑤行動レベルで「人を笑顔にするためにこんなことをやってみよう」
⑥環境レベルで「ここで人を笑顔にしよう」
といった考えの人は、恐らくどんなに頑張っても人を笑顔にすることは困難です。
この場合は、「②自己認識レベル」を変える柔軟性も大切になります。
5 「柔軟性」と「一貫性」の関係
結論を端的に言えば、「スピリチュアルレベルは一貫性をもって一定を保ち、その人の全てのニューロロジカルレベルが統一された一貫性を持つために、必要に応じて②自己認識レベル~⑥環境レベルを適切に変える柔軟性を持つ」という関係になります。
ここまでくれば、「柔軟性」と「一貫性」が互いに矛盾するものでは無いという事はご理解いただけると思います。
6 一貫性をもって柔軟性を手に入れるためには?
環境レベルや行動レベルでの柔軟性を手に入れることは実はそこまで難しいものではない場合が多いです。(NLPに限らず、これに関する書籍等も多数出ていますので数冊読んで実践してみることをおススメします。)
しかし、例えば「4 もう一度「柔軟性」を考える」で述べたような「②自己認識レベル」を変えるような場合には、自分一人では大きなストレスや、人によっては恐怖を感じることもあります。
このような場合は、正しくNLPを学び、実践している人の手を借りてみましょう。
より安心して、より早く、自分の変化を感じることができるはずです。
7 お知らせ
僕がコーチングを学んだ「共創コーチ®養成スクール」からインタビューしていただきました。
僕のスピリチュアルレベルから環境レベルまでの話をまとめたインタビュー記事が掲載されています。
是非、ご覧ください。
こちら(『NLPとコーチングの掛け算でフェアな社会へ』)から(共創コーチ®養成スクールのサイトへ遷移します。)