こんにちは。GeniusRushの笹原です。
最近は大分クールダウンした感じもありますが、少し前までとある県知事のパワハラに関する話を耳にしましたし、色んな報道も見かけました。
今日は、この事案を参考事例として、人が持つ「印象」について考えてみます。

※ このブロブに記載してある知事に関する情報は、一連の報道や発表を元に記載しているもので、当サイトにて事実の確認をしているものではありません。
あくまで実際にあったとある事案にについての各種情報を、「印象が世界を決める」というテーマに合わせて当サイトで意図的に再編集したフィクションとしてお読みください。
また、意図しない印象を与えてしまう事を避けるため、この記事の一部を抜粋して引用、転載することを禁じます。(URLのリンクは可能です。)

1 威圧的な人

ある県の知事が、県職員へのパワハラや出張先で贈答品の受領(おねだり)があったと県幹部職員Aさんから内部告発文書が出されました。
これに対して、知事及びその側近の幹部職員達は「この内容は事実無根のものが多いもの」であり、うそ八百含めて文書を作って流す行為は公務員としては失格だ」と厳しく批判をし、このAさんを解任しました。
その後Aさんは公益通報制度を利用して内部通報しましたが、公益通報と認められず停職3か月の懲戒処分を受けました。
その後、各種調査が行われ、この知事のパワハラ行為や贈答品の受領おねだり行為のに関する情報が多数寄せられ、これを受けた県議会はこの知事に対して全会一致で辞職要求を行いましたが、この知事はそれを受け入れませんでした。

2 熱心な改革派知事がまさかの?

ある県では、数年前まで20年という長期間にわたり同一の知事が首長として君臨していており、全国でも最も厳しいランクの財政の中、2000万円もする高級車を知事用の車両として税金で購入したことなどに対して批判を集めていました。
そこで、まだ40代と若い候補者が名乗りを上げ、選挙に挑戦。見事当選し改革を進めていきます。
知事就任の直後から次々と公約達成に向けて動き出し、県職員のいわゆる「天下り」を規制する等、前知事時代の負の遺産である財政健全化も含めて改革を進めてきました。
そのような状況の中、足元の県幹部職員からの知事のパワハラ行為や贈答品の受領おねだり行為に関する文書(公益通報には認定されず)が出され、これが大きく取り上げられました。
その後、これを重要視した県議会の特別調査委員会が実施した県職員に対するアンケート調査では、この知事のパワハラ行為や贈答品の受領おねだり行為のに関して「人からで聞いたことはある」という回答が20~40%を占めましたが、一方で「目撃等により実際に体験した」という回答は約1%足らず、「知らない」という回答は60~80%にも上ります。
こういった回答の状況でありましたが、県議会では全会一致で知事絵の辞職要求を行いました。

知事はこれを受け入れませんでした。

3 印象の違い

上記の1と2は同一の事案を元に、両極端な情報をそれぞれまとめたものです。
それぞれの情報が事実なのかどうか不明なものも混在していますが、1だけを読んだ場合と2だけを読んだ場合では、この知事に対する印象は大きく変わるのではないでしょうか。
恐らく1だけ読んだ場合は、「自分の小さな利益や立場・プライドを重視するひどい人である」という印象が残るかもしれません。
ところが、2だけを読んだ場合は「旧態依然としていた県を一生懸命改革しようと頑張っていたけど、やりすぎて足元をすくわれた人である」というような印象になるかもしれません。
僕自身はこの知事に会ったこともなければ、この人の行動を全て追っているわけでは無いので、真実が1なのか2なのか、若しくはどちらも真実ではないのかは全く分かりません。
ですが、僕以外の誰かが編集した「情報」だけは見聞きする機会があったので、この知事に対する印象は勝手に出来上がってしまいます。

実生活においても、このように「自分以外の誰かが編集した『情報』」に基づいて勝手な印象だけで物事を判断していることはよく起きています。
そして、時にはこの印象が現実と大きく異なっていて、それが原因で誤った判断をしてしまうことも起こります。

4 真実を見極めるには

では、誤った印象に振り回されず、正しい判断をするためにはどうすればいいでしょうか。

今回は2つのポイントをご紹介します。

(1)事実と解釈を分解する

現実世界には多数の情報があふれていますが、その大多数は自分が経験していない「自分以外の誰かが編集した『情報』」です。
 これらの情報を受取るときには、この情報の中で「何が事実(エビデンスのあるもの)」で「何がこの編集者の考え・意見」なのかを切り分けることが大切です。
これをできないと、この他人の印象をそのまま自分の印象として植え付けられてしまう恐れがあります。(おそらくは意図的にこれを分かりにくく混同している情報も多数見受けられます。)

(2) 情報の枠組みを考える

情報がどのように提示されているかに注意し、それを自分で変えてみることも効果的です。

例えば、上記の1の場合は、「告発文書が出されてから」という時間の枠組みで情報を提示していますが、2では「知事が選挙に名乗りを上げる前から」という時間の枠組みで情報を提示しています。
情報を受取る際には、この情報は「どんな枠組みで切り取られてものか」「もっと枠組みを広げてみるとどういう情報が得られるか」を考えながら受け取ることが大切です。

この情報の枠組みについては、時間の他にも多くの枠組みが存在していますので、別記事にて改めて解説します。

5 NLPで情報を正しく受け取る

今回はとある事案をもとにしたフィクションを使って、偏った情報に基づいた印象がつくられる過程とその危険性をお伝えしてきました。
この印象は、自分でも気づかないうちに出来上がり、ずっと自分の中に残り続けている危険性もあります。
GeniusRushでは、NLPを元に、「なぜこのようなことが起きるのか。」「防ぐためにはどうしたらいいか。」という内容をお伝えする個別セッション、セミナーを行っております。
興味がある方は、こちらからお問い合わせください。