こんにちは。Genius Rushの笹原です。
このブロブを読んでいただいている方であれば、「情けは人の為ならず」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
もともとは新渡戸稲造さん(前の5,000円札の肖像や『武士道』でおなじみですね)の言葉で、
「施せし情は人の為ならず おのがこゝろの慰めと知れ
我れ人にかけし恵は忘れても ひとの恩をば長く忘るな」
という一文から切り取ったものとされています。
この一文を現代語訳すると
「人にかける情け(思いやり)は、その人のためにするのではない。ただ、自分の心を満たすためにしているものだと自覚しなさい。
自分が人にかけた情けは忘れても、人から自分が受けた恩はずっと忘れるな。」
というような感じでしょうか。
これが、現在では「人に情けをかけるのはその人の為にするのではない。巡り巡って自分のためになるものです。」というような意味で使われています。
今日は、この「情けは人の為ならず」を心理学的な観点から考えてみたいと思います。
1 返報性の法則
心理学で「返報性の原理(法則)」という考え方があります。
これは、簡単に言うと「誰かに親切にされたら(恩を受けたら)、そのお返しをしたくなる」という心理的傾向のことです。
例えば、友達におごってもらったら、次は自分がおごりたいと思いますよね?
初対面の人でも、その人が感じの良い人であれば、自分も相手を尊重して良い印象を与えるような振る舞いを自然とするのではないでしょうか。
これは人間にとってとても自然な反応といえます。
2 「情けは人のためならず」の本当の意味
「情けは人のためならず」は、最近「情けをかけるのは無意味だ」というような誤解をされていることも多いようですが、最初にお伝えした通り、もともとは別の意味です。本来は、「親切にするのは人の(相手)の為ではなく、ゆくゆくは自分の為になるものだ」という意味合いです。
例えば、あなたが職場で困っている同僚を助けたとしましょう。
その同僚はきっとあなたに感謝するでしょうし、もしあなたが困った時には、彼が助けてくれるかもしれません。
また、その行動を見ていた他の同僚たちも、あなたを「助け合いの精神を持つ人」と評価し、信頼関係が強まるでしょう。
これこそが、返報性の法則が働く瞬間と言えますし、「情けは人の為ならず」が成立した瞬間とも言えます。
つまり、「情けは人の為ならず」は「返報性の法則」から考えれば、ある意味で当然の言葉とも言えます。
3 返報性の法則の注意点
しかし、返報性の法則には注意が必要です。
返報性のプレッシャーを感じることもあります。相手の親切に対して、何かお返しをしなければならないと感じることで、ストレスを感じることがあります。
ですので、「情けは人のためならず」を実践する際には、無理にお返しを求めないこと、そして自分のペースで自然体で実践することが大切です。
ここでもう一度、新渡戸稲造さんの言葉を見てみましょう。
「施せし情は人の為ならず おのがこゝろの慰めと知れ
我れ人にかけし恵は忘れても ひとの恩をば長く忘るな」
(人にかける情け(思いやり)は、その人のためにするのではない。ただ、自分の心を満たすためにしているものだと自覚しなさい。
自分が人にかけた情けは忘れても、人から自分が受けた恩はずっと忘れるな。)
心に留めておきたいポイントですね。
4 最後に
返報性の法則は、中長期的な視点から自分の人生を豊かに、有意義にしていくために非常に効果的な考え方です。
そして、この「返報性の法則」を利用したビジネススキルや営業スキルも世の中にはたくさん存在しています。(中には、かなりギリギリを攻めてるなという営業を受けたり、見聞きしたりすることもあります。)
GeniusRushでは、日本NLP協会認定販売心理コンサルタントとして、また、自分自身の心理を活用して営業未経験から法人営業として実績を出してきた実体験を踏まえて、この「返報性の法則」以外にも色々な人間心理を活用した営業向け研修も提供しております。
自分の営業スキルを上げるためにも、際どい営業を見極めて自分や周りの人の身を守るためにも。
一度は学んでおきたい内容です。
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